ARPU、ARPA、ARPPU|混乱しやすい指標をそれぞれ解説!

概要summary

アプリケーションはインストールされて終わりではありません。継続的に売上、利益を生み出し続けなければならないのです。この間、「1ユーザー当たりのアプリケーションのインストールコスト」を測る「CPI」について説明させて頂きました。 アプリケーションがCPIだけではなく、インストールの先にコストを測る3つの指標があります。 その3つが以下の3点です。 ・ARPU ・ARP ・ARPPU これらの指標を正しく理解して活用することが、アプリケーションの売上、収益のアップにつながるのです。今回はこの3つの指標をご理解頂きつつ、改善ポイントを解説します。

デジマくんアプリケーションは継続的に売上を上げなきゃいけないからね!その指標があるか気になっていたんだよ!

デジマちゃんこの3つの指標は本当に重要だけど名前が似ていて混乱しやすいから整理しておこう!

基礎知識

ARPU、ARPA、ARPPU… それぞれ名前が似ているので混乱されるかと思いますが、これらはアプリケーションを運用する上で使われる「ユーザー」、「アカウント」「課金ステータス」によって振り分けられている指標です。 ここでは基礎知識としてのそれぞれの意味、計算式を説明します。

ARPUの意味

ARPUの正式名称は「Average Revenue Per User」で1ユーザーあたりの平均的売り上げを示す指標です。 この用語を理解するにまず「ユーザーの定義」を理解する必要があるのですが、ユーザーというのはアプリケーションやSNSも含め、ログインをせずにサービスを利用する人たちのことを示します。 つまり、氏名や生年月日などは知らされませんが、アクセス解析を通してデバイスやブラウザの種類、性別やおおまかな年齢といった情報は取得できるのです。 主に通信事業のような月額課金モデルのビジネスで使われてきたKPIですが、最近はスマートフォンアプリのようなゲーム事業でも重要とされてきております。 特にゲーム事業には「無料ユーザー」と「課金ユーザー」が存在しますが、ARPUはその両方のユーザ数を含めた数字を基にコストを計算します。

ARPAの意味

ARPAの正式名称は「Average Revenue per Account」で1アカウントあたりの平均売り上げを示す指標です。 よく「ユーザー」と「アカウント」が混同されがちなので整理すると、アカウントは「ID」と「パスワード」を設定してアカウントを作成した利用者です。 さらに分かりやすく説明をすると、1人が5台の端末を所有している場合、アカウント数は1であり、ユーザー数は5となります。ARPUは、端末1台を対象に売上額を計算しているのです。 PC、タブレット、スマートフォンなど様々な端末を持つ時代になった今では、アカウント数で測るARPAが採用されてきております。

ARPPUの意味

ARPPUの正式名称は「Average Revenue per Paid User」で課金ユーザー一人あたりの平均課金額を示す指標です。 ソーシャルゲームのユーザーには、無料で楽しむユーザーと課金してプレイするユーザーがいますが、無料ユーザーがどんなに増えても、売り上げは伸びません。 ですので、お金を生み出してくれる課金ユーザーを増やすことが売上を上げる鍵となります。 その課金ユーザーが売上にどれだけ貢献してくれているのかも計算する指標がARPPUです。

それぞれの計算式

それぞれの計算式は上記となります。 つまり、「ユーザー数」「アカウント数」「課金ユーザー数」をそれぞれ売上から割った数値になります。 例えば、新しいスマートフォンゲームをリリースし、1年で1,000万円の売上が出たとして、ユーザー数は500人、アカウント数は400個、課金ユーザー数は300人でした。
  • 1,000万円(売上)÷500(ユーザー数)=20,000円(ARPU)
  • 1,000万円(売上)÷400(アカウント数)=25,000円(ARPA)
  • 1,000万円(売上)÷300(課金ユーザー数)=33,333円(ARPPU)
計算をすると結果は上記の通りになります。

デジマくんなるほど...!ユーザー数、アカウント数、課金ユーザー数で分けられているのか~!

デジマちゃんデジマちゃん同じ利用者でも全然ステータスが違うからこの3つの違いを理解すればあとは計算するだけだよ!

改善する共通のポイント

ARPU、ARPA、ARPPUも改善するには共通のポイントがあります。

ステータスの状況を明確にする

まずは、前述で説明をした「ユーザー数」「アカウント数」「課金ユーザー数」がどれだけいるのかを整理すると、課題点が見えてくると思います。 例えば、ユーザー数がそもそも少ないということは、集客やプロモーションの強化を行う必要があることが分かります。 ユーザー数だけが多く、アカウント数が極端に少ない場合は、マッチングアプリ等でもよく使われる本人確認機能を導入することで防げるかもしれません。 無料のユーザーが圧倒的に多い場合は、課金することの価値を示し、サービスの改善や新しいプランの導入を考える必要も出てくるでしょう。

顧客ロイヤリティを高める

顧客ロイヤリティとは、商品やサービスに対する顧客の愛着のことを指します。 最も難しいことではありますが、とても重要です。 顧客ロイヤリティは、購入後のサポートを充実させたり、口コミを参考に課題を改善したりする等、顧客の期待以上の価値を提供することで向上できるでしょう。 サービスの利用者がどのように改善したら、愛着を持ってくれるか常に考える必要があります。

購入頻度を高める

購入頻度を高めることも売上を上げる効果として有効です。 ゲームのアプリケーションをイメージすると分かりやすいのですが、新しいアイテムをリリースして課金をしてくれるユーザーが一定数います。 より多くの課金ユーザーを増やすために、「無料ユーザー」から「課金ユーザー」にステップアップさせるサービスのリリースもプロモーションが重要ですね。

デジマくんそれぞれを天秤にかけて改善策を立てるのが難しいね...

デジマちゃんだからこそステータスの管理が重要でなるべく課金してくれるように促す必要が出てくるんだよね!

【まとめ】それぞれのアップが成功の鍵

  • ARPUは1ユーザーあたりの平均的売り上げを示す指標
  • ARPAは1アカウントあたりの平均売り上げを示す指標
  • ARPPUは課金ユーザー一人あたりの平均課金額を示す指標
簡単にまとめるとそれぞれの指標の意味は上記となります。 「ユーザー」と「アカウント」、「無料ユーザー」、「課金ユーザー」。 自社のアプリケーションはこの4つがどれだけいるのかを明確にし、売上の貢献度を計算することができるので、非常に便利な指標であることが分かるでしょう。 それぞれの意味をしっかり抑えて頂きながら、効果的なアプリケーションのサービス運用を行っていきましょう。